DCF(ディスカウントキャッシュフロー)法
一言で言えば、「その企業が将来、一生涯にわたって稼ぎ出す現金の総額を、今の価値に直して合計する」という考え方です。
1. 基本の考え方:お金の「時間的価値」
まず大切なのは、「将来もらえる100万円は、今もらえる100万円より価値が低い」というルールです。例えば、今100万円を持っていて、年利5%で運用できれば、1年後には105万円になります。逆に言えば、1年後の105万円を今の価値に直すと100万円になるということです。この「今の価値に引き戻す作業」を「割り引く」と言います。
2. 具体例 リンゴの木の評価
ある「リンゴの木」を企業に見立てて、その価値を計算してみましょう。条件を以下のように設定します。収益:この木は、毎年1万円分のリンゴを実らせます(5年間収穫して、その後は枯れるとします)。割引率:市場平均リターンを 5% とします。
・計算のイメージ 各年の1万円を、現在の価値に割り引いて合計します。
1年目の1万円 ≒ 今の 9,524円
2年目の1万円 ≒ 今の 9,070円
3年目の1万円 ≒ 今の 8,638円
4年目の1万円 ≒ 今の 8,227円
5年目の1万円 ≒ 今の 7,835円
これらをすべて足すと、約43,294円 になります。つまり、このリンゴの木の「適正な価格(企業価値)」は、5万円(1万円×5年)ではなく、約4万3千円 ということになります。もし市場でこの木が3万円で売られていれば「割安」であり、6万円なら「割高」と判断します。
3. バフェットさんが重視するポイント
バフェットさんがこの手法を好むのは、帳簿上の利益(会計上の数字)ではなく、「実際に手元に残る現金(オーナー利益≒FCF)」を重視しているからです。
4.実践的な難しさ
数式は明確ですが、実務では以下の2点が「投資家の腕の見せ所」となります。
・将来の予測: その企業が10年後、20年後にいくら稼ぐかを正確に予測できるか?(だからバフェットさんは、予測しやすい「安定したブランド企業」を好みます)
・割引率の設定: 何%で割り引くべきか?(リスクが高いほど割引率を大きくし、今の価値を厳しく見積もります)


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